一般的に「管理職」とは機密性の高い案件も扱う企業の中枢に当たるため、業務委託によってその仕事を外注に出しにくい性格のものである。
一部業務内容を絞り、報酬についても定額制を用いるなどの措置を講じればアウトソーシング化も可能だが、それによって企業の負担も増える場合があるため一長一短の側面が大きいと言える。
しかしIT分野においては、必ずしもこうした一般的な考えが当てはまらない場合がある。
IT業務は高度に専門的な知識が要求されるため、一つのシステムを組み上げるに当たっても多くの作業とそれに携わるエンジニアが必要になってくる。
当然、そうした作業や人員を取りまとめるための管理職についても、ITについて深い造詣が求められる。
企業内部でそうした人員を確保できない場合は、IT業務の総合的な管理を業務委託しなければならないということになる。
IT業務の委託を請け負う個人事業主の中には、過去に企業で管理職経験がある人も多くいるため、外注できる可能性が高い。
しかし、この際に委託元として気をつけておくことがある。
それは、委託に当たって時間拘束や人材として代えが効くかどうかといった実質基準により、委託形態を請負にするのか雇用にするのかを決めておかなければならないという点である。
報酬を委託業務費等で支払う場合は、委託先が所得税を確定申告することになるが、雇用になる場合は委託元が給与から源泉徴収にて所得税を徴収・納付する必要が生じるので注意しなければならない。